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そんな関係
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そんな関係だってある


***

ぬいぐるみを抱いている小さな子を見かけることがある。
離れたくない大切なトモダチ」という気持ちが、きゅんと伝わってくる。
ぬいぐるみを持ち歩くって、そういうものじゃないか?

ところが。

電車のドアが開くやいなや、賑やかに乗りこんできた小さな兄弟は、ちがった。
ぬいぐるみを抱いてはいなかった。
耳をつかんで、ぶらさげていた。

(ピーターラビット?)

どうみても「えもの」!
しかも、無言でうなだれているので、ものすごいリアリティだった。
耳をつかまれたピーターラビットは、されるがままに揺れ、兄弟たちは、

「今、森で獲ってきたぜ」

といわんばかりに、ピーターラビットをふりまわして、車内を駆けまわっていた。

(ああ、忍耐……)

次に車両に戻ってきたとき、ピーターラビットは、兄弟のリュックサックに、それぞれつっこまれていた。
入りきらないので、頭はファスナーの外に飛び出している。
兄弟たちが、まったく落ち着きなく、椅子に座ったり、窓の外を眺めたり、座席でごろごろするのにあわせて、ピーターの頭は、あちこちに向いて揺れている。

(あああ、試練……)

いや、そう見えるだけで、これは、ものすごくかわいがられている状態なのだろうか?

なでたり、抱きしめたり、頬ずりしたり、話しかけたり、手をつないだりはしていないけれど、兄弟は、ピーターラビットと共にいる。

それにしても、誰が、兄弟にピーターラビットを買ってやったのだろう?

(母親?)

ずっとスマホをいじっている。

ちなみに、兄のピーターラビットは、緑色の帽子をかぶっていた。
着せ替えのバージョンなのだろうと思っていたが、あまりにも印象深い出来事だったので、

(本当に、あのうさぎはピーターラビットだったのだろうか?)

と気になり、〈ピーターラビット ぬいぐるみ〉で検索した。
すると、兄弟が持っていたのは、やはりピーターラビットのぬいぐるみで、サイズはM、税込3,780円もするものだとわかった。
そして、緑色の帽子のうさぎは、ピーターラビットの着せ替えバージョンではなく、ベンジャミンバニーという別のうさぎで、こちらはピーターラビットより高価な税込4,104円だった。
二人は、「いとこ」なのだそうだ。

耳をつかまれたり、無造作にリュックにおしこまれたり、ふりまわされたりしながらも、兄弟に連れられているピーターラビットとベンジャミンバニー。
なでられたり、抱きしめられたり、頬ずりされたり、話しかけられたり、手をつないでもらったりは、されていないけれど、一緒にいる

そんな関係だってある。

名前で呼んでもらっているといいな。

浜田えみな

……と結んで、「いい人っぽく」終わっておこうと思ったけれど、私がキャッチしたのは、無邪気さと共存する残忍さなのだと思う。
相反するものの共存。そんな関係。




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プロフィール

浜田 えみな

Author:浜田 えみな
こんにちは! ブログに来てくださってありがとうございます! H11生まれの長男と、H14生まれの長女の二児の母です。文章を書くことが好きなので、フルタイムで仕事をするかたわら、あれこれ書いています。H26年8月に薦められた短歌にハマり、現在その世界観を模索中です。よろしくお願いします。