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村松恒平氏 「天才! 大人のアート塾」レポート(1) ~自分探検隊~
CIMG5773_convert_20121005205002.jpg ← クリックで拡大(団扇表) 

自分を知ることで、
自分の強みと弱みがわかる。
知らないから、怖れる。
知らないから傷つく。

表現は自分を知ることから。

まだ見ぬ自分半島を探検しにいこう。
まだ見ぬ自分大陸への航海に出よう。

表現の会は、「自分探検隊」。


*    *    *

さてさて。二時間半のセミナーをレポートするのに、既に連載三回目。なぜ? 
今日こそ、アート塾にたどりつけるのか?

……
ぐだぐだ書いていると、脱線しそうなので、いきなり当日の朝にワープする。
(最初からそうすればよかったのかも)

*    *    *

今回のアート塾は、気分的にとても楽だった。
前の晩も
〈思い煩うことなく、ぐっすり寝た〉

三回目ということもあるけれど、リピーターが多いので心強い。今までは、

(自分で何でもしなくちゃ! いたらない点がないようにしなきゃ!)

と肩に力が入っていた。当日は早くから会場入りして準備をし、万全の状態でお迎えしなければと、ずっと思っていた。
今回なんて、重役出勤。
会場に着き、看板に張り紙をして、教室のドアを開けたときは、すでに五人の顔ぶれがそろい、エアコンも作動し、設営も全部終わっていた(!)

(感涙)

……不思議と、感謝の気持ちしか生まれなかった。

(世話人なのに遅く来て、準備もせずに、とんでもないヤツだと思われているかも……)

とは感じなかったのだ。(思われていたかもしれないけど)(笑)

(もっと早く来ればよかった……)

とも感じなかった。(思ったほうがいいかもしれないけど)(汗)
ただ、

(なんて素敵なんだろう)

と感激した。

参加する人が、誰かの指示を待つのではなく、自分のホームグラウンドのように、受講する環境を整えられるって、すごいことだ。
そこまでのコミュニティができたって、すごいことだ。

さすが、村松系。みなさん、頼もしすぎる。

*    *    *

村松先生のメルマガやブログの読者は、これまでは、なんらかの文章表現に関わる人が圧倒的に多かった。
文章表現に関する指南を受けたいと願う人が多いのだと思う。
だから、「表現の会」と銘打っても、(なんだそれ?)と、食指が動かないのかもしれない。

わたしも、当初は文章表現に関するゼミやレクチャーをしてほしいと思っていた。
だけど、大切なのは、

(「やりかた」ではなくて、「何を」の部分だ)

と気づいた。

「小説をどう書くか」ではなく、「伝えるものを自分が持っているかどうか」

テーマだ。
それを伝えるために、何が適切なのか。小説であれば小説を書けばいい。
テーマを持たなければ、何も始まらない。まず、そこだ。

そのためには、「自分を知る」。
テーマより何よりもまず。

自分を知ることで、自分の強みと弱みがわかる。
知らないから、怖れる。知らないから傷つく。


表現の会を三回受講して、わたしは初めて、これは、「自分を知る」ためにやっているのだと思えてきた。

アートはすべて、オリジナリティ。

同じものを使い、同じことを指示され、同じように取りくんでも、できあがった作品はすべて違う。他者の個性を認めるとともに、自分の個性が浮き彫りになる。
今回は時間の関係で行わない「30ドル」というゲームは、他者からの光が自分に当たることによって、気づかなかった自分の輪郭が浮かび上がるものだった。

この連載の初回で、「とある講座で“自分の人生を変えた言葉は何ですか?”という質問を受けた」と書いた。同じ講座のレジュメで、こんな円グラフを見た。

「自分が知っている自分」(1/4)
「他人が知っている自分」(1/4)
「自分も他人も知らない自分」(1/2)


わたしは、それまで、自分は、

(自分が知っている自分と、他人が知っている自分だけだ)

と思っていた。
表現の会は、この二つを方向から光が当たり、自分がわかるのだと思っていた。
でも。

自分も他人も知らない未知の領域が、あと半分もあるのだとしたら……。

(なんて素敵なんだろう!)

まだ見ぬ自分半島を探検しにいこう。
まだ見ぬ自分大陸への航海に出よう。

表現の会は、「自分探検隊」。


*    *    *

やっぱり前置きが長い(苦笑)
商業出版物なら、こんな助走部分は、バッサリ切られるのだろうとわかりつつ、自分の記録なので、削除しません。
今度こそ、平成24年9月9日10時15分 井戸端ステーション2階教室Bに強制的に、ワープ。

「生まれついてのもの、天が与えてくれたものを出していく」

開口一番に、村松先生がおっしゃった言葉だ。

アートは、本来、生まれついてのもの。天が与えてくれたもの。

自然にわき起こるものを出していけばいいはずなのに、才能と技術が一緒になっている部分がある。日本の教育制度の中では、とかく規則や技術をうるさく規定して枠にはめてしまうことを、村松先生は憂えていた。

書道も、思うまま、感じたままに伸び伸びと書いていいはずなのに、トメやハライのことを、いろいろと言われて嫌になってしまう人が多い。
そこで、村松先生開発の書道は、「読めない書道」「へたうま書道」と命名され、「字を書かない」そうだ。

(え?)

当然、字は書くだろうと思っていたので、驚いた。

「字だと、下手とかうまいとかに、とらわれてしまうから、書きません」

(なるほど)

というわけで、使い込まれた筆と新聞紙と紙が配られた。
マンダラアート用に持ってきた小石は、文鎮がわりに使えて、一石二鳥。
墨汁と、小分けする容器も配られる。これは、昨日、民族学博物館に行ったあと、京橋の商店街で購入したものだ。
村松先生は、自宅では、ふた付のタッパー容器に入れているとのこと。

いつでも始められ、いつでもやめられる。
いきなり好きなことができる。

◆へたうま書道

こんな感じで行われました。

ウォーミングアップ

① 紙に大きな円を書く  右手で書く 左手で書く
② 直線を書く
③ 曲線を書く


CIMG5881_convert_20121006160408.jpg

このあたりは、まあよいでしょう。

④ 目の前の人の顔を一筆で書く

(顔を一筆?)

そんなん、無理でしょーっ

一筆って、同じところが重なってもいけないし、途切れてもいけないのだ。
顔のように、いろんなパーツが点在しているものを一筆で描くなんて!

「よどみなく書く。止まらずに書く。一気呵成。書いている途中で考えない。弓矢は、当ててから射るというんだよね。だから必ず当たる」

そんなーっ
考えないで書いたら、ぜったい、途中で途切れるし、止まります!
……と思うのは、私の思い込みなのだと思う。

短大のころ、人物画を描いていたので、「顔」を「一気呵成」には表現できない。
「顔」に対する思いや、こだわりが強すぎて、心の準備が追いつかない。
顔を表現するというのは、私にとって、その人を表現することなのだ。
顔から感じるものを筆で書けと言われたら、書けたかもしれないけれど。

さらにハードルがあがる。

CIMG5882_convert_20121006160431.jpg ← おそまつすぎてすみません

⑤目をつぶって書く

(ひ、人の顔を、目をつぶって書くーーーーーー???)
(そんな福笑いみたいな……)

村松先生は、きっと、顔に対して、特に思い入れがないのだろう(苦笑)

さらに、わたしの前に座った人は、黒髪で瞳が印象的な美人!! 
そのまま肖像画を描かせてください とお願いしたいくらいの人材だ。描きたい描きたい。スケッチでもいいからさせてほしいくらい、ジャストマイタイプ。
なのでよけいに、

(こんな、へたうまじゃなくて、きちんと描きたい!)

という気持ちが強くて、「一筆書き」だの、「目をつぶって書く」だのという指示に従えない浜田。
そんな私の葛藤をよそに、ほかの受講者は、趣のある線を出していた。

そのまま額に入れて飾りたいくらい完成度の高い人もいた。正面からの顔にとらわれず、横顔を表している人や、印象的な部分だけを強調して表現している人もいて、かっこよかった。

村松先生が、「目をつぶって書く」とおっしゃったのは、
 
「目をつぶると別の感覚が目を覚ます」 からだそうだ。

このことを、体験させようとしてくださった。先生が観た盲目の人のアートがよかったそうだ。
事前に、一筆書きをやったのは、

「一筆じゃないと目をつぶって書けないでしょ。一度、筆を離すと、もう何がなんだかわからなくなるんだよね」

(なるほど)

わたしは、目をつぶることによって目覚める感覚を味わうことなく、目を開けていた時の感覚を追いかけてしまった。残像をたよりに、迷子になっていた。

(だからダメなんだ)

人から教えを受けるときは、「素」になること。
それまでの思いこみや、自分を捨てて、「素」の地に、ただ、吸収すること。


このことが、できなかったので、大反省。もったいなかったと思う。

では。
なぜ、書道ではないのに、筆と墨を使うのか?

筆と墨を使うと、勢いのある感じ・速度感・かすれ などが出せるからだそうだ。
さらに、書道では、文字に書き順があるので、観た人は、書いた人のプロセスを再現できるそうだ。二次元の世界が、時系列の芸術になって再現する。

村松先生は、青山杉雨という書家の作品展を観て、おもしろいとおっしゃっていた。
ちょうど、今年が生誕百周年に当たることから、上野の国立博物館で展覧会が開催されていたのだった。

心のぬか床に入れておいて、いつか取り出したいと思う言葉はコレ。

「芸術は意味からはみだしている」
「言葉でコントロールできないことを取り込むのがアートの領域」


わたしは、文章において、
「言葉でコントロールできない野獣を、読者の領域に放ちたい」

⑥枯れた線を書く

CIMG5883_convert_20121006160451.jpg

無理難題シリーズは続く。

⑦色が出るようにその漢字を書く

墨一色で、色を表せという指示が出た。

赤という字を書くなら、赤らしい赤を。
黄という字なら、黄らしい黄を。

私は、「白」を書いた。これは、余白で白を表しただけだと村松先生から喝(笑)

CIMG5884_convert_20121006160513.jpg

他の受講者の写真がないのが残念。みんな力作でした。ちなみに、色は
青(2名) 灰 緑 桃 白 赤

村松先生のお言葉は

本来現れるはずのないものが現れる」
「墨一色なのに色が表現できる不思議」
「小説は、紙にインクで書いただけで人が号泣する奇跡」


(なるほど)

⑧自画像を書く。

なるべく筆の先っぽをつかって、線の数が多い自画像を書く という指示。

自分の顔なんて、あまり見ていないことに気づく。
目とマユゲは、化粧するときに視るから描ける。
鼻や口はわからないものだと思った。

CIMG5887_convert_20121006160558.jpg

これも、わたしは真面目にマトモに描いたけれど、皆さんは、デフォルメしたり、趣のある自画像に仕上げていて、拍手!

⑨テキスタイル 

布地の反復している模様を書く。自分が使いたい模様を書き、色と用途を発表する。
  
わたしは、前日の民族学博物館の刺激が抜けなくて、熱帯植物の祝福を感じたままに書いた。腰に巻きたい気分(笑)

CIMG5885_convert_20121006160538.jpg

色を思い浮かべて線を描いたわけではないけれど、できあがってみると、色が起ちあがってくるのが不思議だった。
ちなみに、色はマゼンタと青緑とこげ茶。

ほかの作品も力作ぞろい。ブックカバー・ランチョンマット・テーブルセンター・浴衣……など、みなさん、それぞれ色と用途をきちんと発表されていた。
使いたくなるものをアートするって、素晴らしい。

⑩うちわに描く

表現の会初めてのおみやげ作り(笑)
村松先生が、みんなに一枚一枚、団扇を手渡す。

(先生、いつのまにそんなものを(感涙)!!)

もちろん、筆で書くのだけど、ルールが二つ。

・文字は禁止 
・自分が使いたくなるようなものを

さてさて。できあがりは……
それぞれ、ストーリーのある楽しい作品ができた。
ひとりずつ、作品の意図などを説明。終始笑いにつつまれ、和やかなムードに。
いつしか自由な表現ができるようになっている。
人の作品が欲しくてたまらない浜田えみな。みんながカバンにしまいかけているのを、
「写真撮らせてください!」
と、並べさせてしまった。

CIMG5773_convert_20121005205002.jpg (表) CIMG5777_convert_20121005205052.jpg (裏)

「へたうま団扇」

それぞれに、今日の日を忘れずにいてほしい。

さあ。
墨と筆を片付けて、次のワークはマンダラアート!

あれれ。
新聞紙をひいているのに、テーブルに墨をつける人って誰ですか?

(なんでですか? 村松先生)

浜田えみな

(マンダラアートにつづく)

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テーマ : 物書きのひとりごと
ジャンル : 小説・文学

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(非公開コメント受付中)

読むだけで、行った気分に
大人のアート塾のレポート、ありがとうございます。

わぁ、なんてすてきなんでしょう~!

行きたくて、行けなかったのに、行かなくても、読むだけで、行ったような気分です。

すてきな集まりだったのですね。すてきすてき~! ☆いっぱい~☆☆☆

レポートしてくださって、読むことができて、ありがとうございます!
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浜田 えみな

Author:浜田 えみな
こんにちは! ブログに来てくださってありがとうございます! H11生まれの長男と、H14生まれの長女の二児の母です。文章を書くことが好きなので、フルタイムで仕事をするかたわら、あれこれ書いています。H26年8月に薦められた短歌にハマり、現在その世界観を模索中です。よろしくお願いします。